paro+paro+note01+ by ichico / 01-juin-2002 up

東大五月祭・トークセッションに参加して

感想リポートをリラックス調で述べていきますので、どうぞよろしゅうに。

まず、深町純さんも同じようなことを述べていましたが、初めてあの東大正門を入って、来るわ来るわの声かけが、「たこやきいかーすか?」「たいやきいかーすか?」ばかりにビックリしました。ここ、一応大学だよね?って感じで、なんだこりゃと唖然としました、正直なところ。あー、こうゆう東大生が、ぞくぞくと将来の官僚になって日本国家をコントロールしていくのかー…とも思いました。

会場にちょっと遅れて入ると、集客ゼロでした。まー、これは予想していたことでもあったんで、それほどに驚きはしなかったんですが、場所も悪かったですので。ただ、スタッフも全員そろっていなかったようなので、運営サイドの不手際を感じざるを得ませんでした。しかし、困ったことなんですが、この手の問題は昨今ではよくあることなんで、無視できる範囲です。それよりも、私が決定的にまずいんじゃない?と感じたのは、プログラムに記載されているにも関わらず、このイベントの主催者による最初のセッションが行われなかったという事実です。これは一番重大なミステイクであったと私は思います。私は一番最初のセッションを聞くために客の一人として10時に入ったわけであり、お引き受けしていた14時半からのモデレータとして、わざわざかなり早めに行ったわけではなかったからです。客が誰もいなくても(正確には私以外です)やるべきだったと私は考えますし、私がやりましょうよ!と再三提案したにも関わらず行われなかったのにも問題を感じます。おかげで興味のあったムーバー生活のお話しは全く聞けませんでした。

なにはともあれ、2番目の政治家さんのトークが始まり、40分間ほど一方的だったので、寝てしまいそうでつまらない(失礼…)ので「投票に行くかどうか?」の意見を聞いてみたらどうかと提案して、やっとセッションぽくなりました。ちょうど早めに来られたスピーカーの深町純さんもまずは聴く側に参加され、もちろん(笑)激論が始まりました。(爆爆)若い頃に海外生活でサッカーを学んだという政治家さんに、政界でのファンタジスタは存在するのか?について解いてみたかったのですが、おかげで質問する合間もありませんでした。(苦笑)
というのも、日本の首相は諸外国(まぁ、主にいわゆる先進国を言われているのでしょうが)に比べてしょっちゅう変わりすぎる、国民はもっと(愛情をもって?)最低でも1年間、あるいは4年間ぐらいを、その首相の成長を見守るべきだ!という意見に対する激論になったわけです。国民、国民、と言うが、それはあーたの意見でしょ!首相の任期ってどうなってるの?任期の問題はそうゆう感情論じゃなくてシステムの問題でしょ!?と、なかなか議論らしくなってきたと思いました。私としては、なして国民が我慢して我が国の首相を愛情を持って見守りゃにゃならんのか?と非常に疑問を感じました。国民は納税者ですから、逆ではないでしょうか?コスト感覚、利害感覚も考慮すべきでは。また、こりゃー使いモンにならん!という決定的に技能不足の社員を、例えば民間企業は4年間もガマンして雇い続けるでしょうか?現実的にコスト的に雇い続けられる余裕はあるのでしょうか?例えば派遣なぞは能力不足で1時間、いや数秒で「お帰りください。」と言われる場合もあります。深町さんに至っては「じゃあ、1年しか売れなかった歌手を、2年目も3年目も消費者は彼らのためにCD買い続けてくれるわけ?」と来たもんで、思わず私は拍手喝采してしまいました。(爆)

さて、3番目はその深町純さんによるセッションなんですが、もう全部カットして次に行きたいぐらいの量をお喋りあそばしました。(爆)さすがと思ったのは、まず客が少ないんで、そんな演台に立ってじゃなくて、みんなもっと近くによってサロン風に話そうよ!とおっしゃったことですね。はい、なぜかそれまでは私以外ですが、一番後ろの壁にみなさん張り付いて聴いておられましたので。私は一番前に行っても良かったんですが、スタッフの大きなカバンが2個も最前列を陣取っていまして…(苦笑)、わざわざ遠方からお出でいただき、お話しいただいた政治家さんにちょっと失礼だったのではと感じました。
話題は「お箸の持ち方」から始まり、「正しい」や「美しい」の論議となりました。ここで私が驚いたというか、感心してしまったことには、みなさんとても他の人に気を遣うのだなと感じました。例えば「あなたのお箸の持ち方は正しいと思いますか?」と質問され、「あなたが私にそのように質問されるには、私はきっとあなたがお箸の持ち方の大家だと想定し、その上で自分の持ち方は正しくないと判断しましたので、正しくないと答えました。」という答えの説明がありました。戦場だったら答えてるうちに銃殺されそうだな…と気が短い私は思考回路オーバーヒートしてしまいそうでした。(笑)また、「思うとするところの流れは同じだと思うのですが…」のように、反対意見を言う前にこうゆう枕センテンスを付ける方が目立ちました。討論とは批判ではなく、討議、ディベート、話しをするわけですから、いちいち妙に相手に気を使って前置きしなくても良いのでは?と感じました。根底には他人に嫌われたくない、仲間はずれにされたくない、という強い恐怖感があるのでしょうか。あるとすれば、そう感じさせてしまってきている、学校教育や社会での討論の仕方に問題があるのかなとも思いました。よって、私が今こうやって書いている感想も批判ではない、ことを賢明な読者のみなさんにご理解いただきたいです。
また、これは言葉の理解力という点でもとても難しい件だと私は思いますが、「弱肉強食」や「多数決」という言葉も討論に登場しました。なぜなら、競争のある社会、競争が認められている社会、である場合とない場合では、「弱肉強食」の言葉の意味が違ってくると私は思います。よって、深町さんが言う「弱肉強食」と、20歳ぐらいのお嬢さんが言う「弱肉強食」を傍聴していて、その言葉を受けとめてきた環境があまりにも違いすぎているのではと感じ、これではもはや討論にならないと思いました。
この辺りから派生して例えば、「多くの人が支持する」and/or「売れる」=「すごい」=「正しい」、と短絡的に判断して良いのかという話しもありました。ここまでくると、TVを代表格とするメディアの話しへとなだれこんでいきますので、時間もなく、収拾もつかなくなる様子でした。私が再認識できたことは、特に若い人たちが「すごい」=「正しい」を信じて疑わないどころか、それが「正しい」に決まっている、当然と考えて(?)、いやもはやもう信仰にも近いような感覚で破れない事実と受けとめきっている、ということでした。商業ビジネスではトレンドは大衆によって作られるものではなく、企業が流行るように売れるように意図して作るもの、であるため、この思慮深くないケアレスな方程式はきわめて危険だと私は発言しました。
こんな議論がまあ丁丁発止と行われ、深町さんのトークの締めとして、「美しい」とか「正しい」ということを常に考えようよ、という彼の提案をお伝えしておきます。私のこの文章が「美しいか?」と問いただされるとマズイんですが。(苦笑)自分が意識して考えて、自分の中で「美しい」ものが自分にとっては「正しい」のかもしれません。また逆に「正しい」ことが「美しい」のかもしれません。その判断基準とするハードルの具合も自分のプライドで決めることです。特にアーティストやクリエイターに向けられた言葉かもしれませんが、そうゆうことを考える姿勢を忘れないようにしようよ、そうゆうことを言い続けようよ、には賛同いたします。よろしかったら、下のバナーをクリックして、超一流ピアニストである深町純さんのサイトを一度ぜひお訪ねくださいませ。

さて、4番手最後は、ここぱろぱろでもご紹介している、アーティストの武盾一郎さんとAYAさんのセッションです。まずはお二人のユニットが創る「月乃夢馬國」の絵を持参ご紹介いただきました。満月にお話しが生まれるというサイトは、下のバナーをクリックしてお訪ねください。

実はその前からお二人は、深町さんが喋りまくっている背後で、ライブペインティングを決行しておりました。彼らのパフォーマンスの時間の分まで、深町さんのトークが押していたという理由ですね。(笑)AYAさんは「月乃夢馬國」の天使のごとくの衣装、ヴィジュアル美味しかったです。その後はやはり新宿西口のお話しとなりまして、あれやこれやとオフレコも含めて、ぱろぱろ1とリンクする部分も多かったです。よって、省略、あしからずです。かつ、モデレータなる私もカットですね。(苦笑)
実はそれよりもお伝えすべきは、同日の夜に行われた深町純さんのアートカフェ・ソロピアノライブに、武さん&AYAさんもお連れして、なんと急きょピアノとライブペインティングのコラボが行われたことです。深町さんの粋なお計らい(挑発かもしれませんが。爆笑!)に感謝です。東大会場でのライブペインティングの作品に加筆されて、ピアノのサウンドと筆が走り、鍵盤と絵の具がポトと垂れ落ちる、がごとくに私は感じました。なにごともやってみなければ分からない、始まらないんだな、と個人的にも痛感させられた一夜となりました。武さん&AYAさんのますますの挑戦を楽しみにしております。

以上、イベント主催者のみなさんの今後の努力と発展を期待いたします。eyedia.comがもっとフルパワーでサポートしたくなるような、実際のアクションをどんどんと起こしていただきたいです。これを書く機会をいただき感謝です。

10 juin 2002
written by ichico / eyedia.com



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